吹屋。ベンガラの故郷へ。

「ベンガラ色の街道。岡山は備中・吹屋ふるさと村へ」

雨上がりの秋の日。今日は早朝から車で岡山方面へと取材。仕事を終えると村人さんから「せっかくここまで来たんだから寄っていけば?何も無いけど」と云われるままに訪れたのは岡山県高梁市吹屋。まるで無知識のままに訪れて、完全にノックダウン・・・。

こちらは江戸時代から鉱山やベンガラの産地として栄えた町並みが、当時の面影のままに残されていたのです。標高550mの山間にひっそりと伸びる日本のふるさと。今日はほんのロケハンと心に言い聞かせ、必ずリベンジすると約束し、時間の許す限りそぞろ歩いてみました。

鉱山とベンガラの町「吹屋」。江戸中期より全国で初めてベンガラを生産して以来、江戸後期から大正と繁栄し、吹屋の町並の基礎が作られました。

昭和40年頃までこちらはベンガラの特産地で、赤色顔料として古くから九谷焼、伊万里焼、京焼等の陶磁器の赤絵、また輪島塗等の漆器、衣料の下染め、家屋や船舶等の塗料として使われていたそうです。

赤銅色の石州瓦(現・島根県産)とベンガラ色の外観で統一された町並。吹屋の長者達が後世に残した、まさに文化遺産たるべく風情が続きます。こちら町並の形成には、旦那衆による話し合いの上、宮大工の棟梁を招いて町全体の景観を統一させたという、実に先駆的かつコンセプチャルな町作りにあると云われています。

標高550mの山嶺に現れる吹屋の町並みは、鉱山町に加えて、江戸後期からベンガラという特産品の生産が重なり、「ベンガラの町」として全国に知られました。現在、町並みは300m、面積74haに及び整備され、昭和49年に岡山県のふるさと村に認定され、昭和52年、国選定重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。