仕事で癒されるの巻。

滋賀県の安土城跡からほど近いお寺に、散り紅葉の撮影。
寺の名は「教林坊」。白州正子・著の「かくれ里」石の寺の章に触れられているお寺である。
実に個人的好みかもしれないけど、白州さんの本に登場する場所はどこも、私のツボ。読んでもあまり影響されないよう、ほどなく忘れてしまっていた隠れ名所や小さな集落。偶然訪れて、もうとうの昔に白州さんが歩いた場所だというのが後で分かる事しばしば。もう、こうなったらガイドブックとして、いや、バイブルとして片っ端から巡ってみようじゃないかと思う位である。
とは言え、推古13年に聖徳太子によって創建されたという由緒あるお寺、かつ白州さんも触れられているように古墳をそのまま生かした石庭は小堀遠州によるという教林坊も、戦後の農地解放により収入が絶たれ、檀家も特定の信者もなく、また後継者にも恵まれなかった事から昭和50年頃より無人寺となり、荒れ放題のお寺に。その姿に心痛めた青年僧(現在の住職)が、方々にお願いをして回って浄財を集め、また自らの私財を投じ、あるいは土木作業をしてコツコツと復興されたのが現在の姿だ。
お渡し頂いた住職の復興録を読ませて頂くとつくづく、今目の前に当たり前のようにしてある美しい姿は、それは決して当たり前では無く、であるからこそ唯一無二の輝きや深みがこちらに届くのだと感銘を受けた。
ありがたきかな地元京都には溢れんばかりの観光客にて、それは一方でお寺の維持管理にも繫がるのだけれど、こうした隠れ名所として潜む、この日本にあまたあるであろう歴史的建造物にも、光があたりますように。
そうして多くの人が、ただ訪れることに季節を感じるだけで無く、残されている事に感謝を込めて、また多くの人で守るという気持ちにも繫がってゆければと、祈る思いである。