彦根アイス

 

前日の天気情報から、車乗り入れを断念して、撮影機材と共に、電車に揺られて滋賀県彦根。

北上する毎に、経年劣化で薄らいだモノクロプリントみたいな景色に変わってゆく。

真っ白の畑に、黒いゴマ粒みたいに群で固まっている鳥。

停車するたび吹き込む砂のような雪。

「えらい時に来たなあ」と、対面シートで芳ばしいあられの香りを振りまきながら語らう老夫婦。

たちまち線路が雪で消されてゆく。

京都に戻って、無かったことにするのもな、と、記憶の記録。