山代温泉いまむかし。


 

 怒涛の1月が終わり、確定申告もあと一社から書類をもらえれば最終書き上げて終了。そんな訳で、ちょっと肩の荷をおろしに、石川は山代温泉へ。二度目の来訪。
 一度目はもう10年も前。多分まだその頃は古総湯も復元されてなかったし、その前というセンターエリアにドンとべんがら色の建屋で誇っている星野リゾートだって無かったろう。何より、その時は宿から一歩も出ずに一緒に来た者らと散々呑んで、温泉に浸かってと言う時間を過ごし、全く町歩きしなかった。

 温泉街というのは、大抵どこも、実は歩くと小さな発見があれこれある。60年代〜70年代の旅行ブーム、あるいは80年代バブル好景気に大勢の人が訪れて潤ったんだろう、一昔前のいかめしい近未来的建物が壊すに壊せず残っているのをよく目にする。今やそこまで大量の集客も見込めないだろう持て余し感と、その頃付随して建ててしまった夜用テナント達。よくこんな形に作ったなぁとか、なんでこんな色にしたのかなぁとか、価値観がズレてきて今や違和感、それがまた逆に面白く思えたりするものも多い。そして看板のフォントも手描きだったりしてこれまた味わい深い。

 

 その時代、その時代に、これは良し、必然、新しいと思って建てられた街の姿がある。更に一昔前、恐らく元は低層階の木造建屋だった旅館を、大容量の巨大なコンクリート旅館に替えられたんだろう街の風景。面白がって宝探ししてると、ふと我に帰った。今や地元京都は空前のホテル建設ラッシュ。これも今後、半永久的に訪れる人が増加する事を見越して、今っぽい、かっこいい、綺麗、近代京風、と思われて建てられたもの。でもいつか、その価値観が時間を経て変わってしまった時にどうなるんだろう。

 山代温泉には、歴史的な言われや古いものも一方であれこれ残っている。長い長い時間を経ても変わりなく、空気感を留めてほっこりさせる空間も残っている。


 双方を体感した時に、ちょっと考え込んでしまった。

 

 追伸ー古くからある街の和菓子屋さんの生菓子が大変美味しかった。蒸し生地で包んだ柚子餡。あんな美味しい柚子餡に出会ったのは初めて。あと、漁師さん直営の料理屋さんが大変美味しく、車海老の刺身が忘れられそうにない。街のサイズ感も好きだし、県内発祥産地とされる九谷焼は、今回気に入ったものが見極められなかった。だからまた必ず来訪しようと思う。