確か、10年ちょっとぶりの沖縄。
仕事が入って、嬉しくて嬉しくてパッキングもウキウキだった。飛行機の便の都合上、1日前入りで沖縄に着いて、夜は専門学校の元教え子で、宮古島出身本島在住の子と呑む約束をした。
噂に名高い「沖縄時間」にあらず、国際通り近くの待ち合わせ場所で早くから待っていてくれて、沖縄料理が好きだと言ってたら事前に調べてくれてて、国際通りや市場、やちむん通りをくねくね散策して買い物してた自分の方が沖縄時間で遅刻した。なんだろう。知らない街で知った人間、それも久しぶりに会うのはこんなにも照れ臭く、そして嬉し過ぎて上滑りしそうになる。
学生の頃から苦労人で、人に熱く、正義感が強く、懐っこくてみんなから好かれてた。崖っぷちでヘビーな道のりを、まるで楽しい綱渡りゲームに見立ててニコニコ笑いながらバランスをとって生きてるような所があった。学生の頃、宮古島のお母さんから届く仕送りの荷物の中に、毎度地元の泡盛の瓶が入ってたのも印象的。「お酒弱くなったんですよ」と言うけれど、それは多分、翌日から仕事の私に気を遣ってペースを落としてくれてたんだと思う。私は相変わらず大人げなくて、嬉しいと深酒する悪い癖が治ってない。
色んな近況話をした。「ナホさんお酒好きだから、泡盛持ってこようかなぁって思ったけど、荷物になるからって」と、お土産に琉球ガラスのロックグラスをくれた。大好きなんだよ、琉球ガラス。歪んで、どこか未完成だけど、持った時の心地がたまらなく良い。家中の、大量生産のガラスコップが全て嫌になって捨てたくなるような唯一無二の形。
一生大事にするね。そう言った。
これでお酒でも呑みながら、呑むたび沖縄の全部、思い出すよ。
別れ際はあっけなく、程よく酔ったまま、また、明後日か明々後日かに会えるような気軽さで別れた。また絶対沖縄に来るんだって、自分にそう言い聞かせたくて。
沖縄備忘録。その1。
訪れた道すがらに出会った猫たち。まるでバリ島あたりの猫らのように、総じて痩せているが、みんな毛ヅヤもよくて幸せそう。猫文化度高し。
沖縄備忘録その2。
沖縄には何度も来た事があるのに、初首里城。クライアントさんにお連れいただいたこの近くにある「首里殿内」と言うお食事処が佇まい共々素晴らしかった。
沖縄備忘録その3。市場や街の片隅。食べ物諸々。
那覇市第一牧志公設市場が老朽化に伴い改築される。6月16日でさようなら。今後仮設市場で2022年の3月まで営業。写真は、この方のお父さんの代からされてると言う冷やしレモンと冷やしコーヒーのスタンドショップ。1杯120円で喉の渇きを癒してくれる。
沖縄備忘録その4。糸満ハーレー。
糸満漁港で行われる、旧暦の5月4日、600年前に中国から伝わった爬竜船を漕ぎ、競い合う漁港でのお祭り。この日は会社も学校もお休み。3艘づつの競争でクライアントさんの船が一番を獲った。フライパンを打ち鳴らし、踊る職場の皆さんにグッと来た。お祭りはローカルであればあるほど、暮らす人々の素に触れる事が出来て泣きそうになる。
ちなみに、この後にある、アヒル取り合戦は時間の関係上見れなかった。
最後に。
これも、これぞ沖縄。
啜っても啜っても、増えてるんじゃないかと思う、てんこ盛りデフォルトの沖縄そば500円でお別れ。
みんな。愛で溢れかえっている。