撮影の際にお手土産に頂いた、近江高島「喜多品老舗」さんの鮒寿し。


 もう四半世紀くらい前のこと。白鬚神社の御神紋から着想を得た喜多品さんの先代による「巴盛り」の鮒寿しを、とある集まりで食べたことがありました。

 まさしく文様のように盛られた見事な様と、あまりの美味しさに当時どれだけ感動したかを伝えたら、毎回お会いするたび嬉しそうに「父の巴盛りを知ってくださって」と、現在のご当主で娘さんが撮影の立会いの人達にも話されます。あの頃の感動が、まさかこうしてまた帰って来るって、こちらこそで嬉しい気持ちでいっぱいになります。

 

 

 

 

 江戸初期に創業された喜多品老舗さん。

 三年熟成された「四〇〇年鮒寿し飯漬」は、一年ものと比べると角がとれて馴染んだ酸味と濃厚な味わいで、そのまま酒のアテにも勿論素晴らしいんですが、茶漬けも最高に美味。

 今回は、塩昆布にとろろ昆布、澄んだアゴ塩出汁と、湖の宝に海の風味を加えてみました。

 江戸時代から蔵に棲みつく良質な乳酸菌と熟練した職人の経験、豊富で良質な水と米、そして高島の気候によって育まれた鮒寿しは、湖はあれど海は無い近江にあって、海の滋味が全て引き立て役に回るほど、唯一無二の味。

 1年に1回でも良いから食べたい。ひとときの贅沢として記憶に残る一品です。

 

 

 

 そしてもう一品は「四〇〇年鮒寿し大溝甘露漬」。

 酸味の強い鮒寿しの飯を取り除いて幾度も酒粕に漬け替えると言う大変手間のかかったもので、鮒寿しが苦手な人もこれは食べやすいんだそう。

 滋賀県にはたくさん日本酒の蔵元があって、それぞれの地域の酒粕で漬けるとの事で、喜多品さんではすぐそばに酒蔵を構える「萩乃露」さんの酒粕で漬けられています。味の特徴としては、まさに奈良漬けのような、芳香な甘み。

 しかし私はやっぱり、酸味も欲しいところなので、夏の終わりの酸味の強いトマトをバジルとオリーブオイル、塩、ニンニクで和えて、甘露漬にサワークリームを添えてみました。これを冷製パスタに。

 この組み合わせはもう、揺らぐこと無い絶対的!

 

今度ご相伴するときは、萩乃露さんでお酒と一緒に楽しもう。

 

以下、ご参考リンク↓

総本家喜多品老舗

https://www.400-kitashina.com

萩乃露(福井弥平商店)

http://www.haginotsuyu.co.jp