クリスマスプレゼントにまつわる思い出。
確か高校三年の頃に買ってもらったナショナル表記のフードプロセッサーが、かれこれ30年越えにしてこの度壊れてしまった。最後は、シュトーレンに仕込むマジパン作りの最中。粘度が老体にはいよいよ応えたようだ。
フードプロセッサーとミキサーの二役(別容器)が一つの土台にそれぞれ備えられるというレアもので、がしかしモーターは両方兼務してるから、同時に二つ調理道具を失った事になる。本体の色目は自分チョイスなら当時も今も絶対選ばないうっすらピンク色。悪く言えば昔のシュミーズ(!)みたいな色で、今じゃ家電製品で早々見かけない昭和カラー。とにかくよく使えて、そして無駄に便利過ぎて出し入れは重くて面倒、色目とデザインがなんせイマイチだからキッチンに出しっぱも様にならず。。。と、見た目はキライ、だけど実に頼もしい、という複雑な気持ちにさせる長年の相棒だった。
ちなみに、中学3年頃に買ってもらったノンブランドのハンドミキサーは今も現役。これを買ってもらって以来、それまで泣くほど不味かったスポンジケーキは飛躍的にふんわり焼けるようになった。年月を経て、今では回り回って赤紫色の本体にシンプルなデザインと操作性が逆にカッコいい。そしてモーターはとてもパワフルで結構な粘度の生地もウーンと踏ん張って練ってくれる。
今更企業名を検索すると、ネットオークションなどで「昭和レトロ」と冠されて出品されていたりして、中には当時の値段の倍以上付けられていたりする。コメント欄は長年ユーザー達の愛の言葉に溢れてる。どうやら、残念ながら会社自体は20年以上前に無くなった模様。今じゃ、こんな小型家電では早々見かけない日本製。この数十年でどれだけ、国内でのものづくりの火が消えたかをしみじみ感じた。
共々の家電には、もらった日からこれまで、数え切れないほどの思い出があって、これらで作った数多の料理は自分の、そして家族や友人のお腹の中に消えていった。
さあとにかく、もう大人になり過ぎた私は今度は自分で自分プレゼントに、フードプロセッサーを買わねばならない。どうせなら生涯の相棒になってくれるような良いのが欲しい。が、果たしてこの、多くの企業や団体がSDGsをやってる風、お飾りのように掲げつつも、結局は目先を変えただけで相変わらず心無い短命の量産品で溢れる超消費社会の中、今後数十年と変わらず愛せて、丈夫で共に長生きしてくれる良質なものに出会えるだろうか。
さて。ちょっと訳あってしばし野菜メインの食事にシフトしてる私のもとに、箱いっぱいのお野菜を友達が届けてくれた。
産地古来の絶滅危惧的希少野菜ばかりを大事に育てておられる小規模農家さん達のお野菜。土から育て方、為人まで吟味し、目利きされた八百屋さんによるものだ。野菜の香りが濃い。そしてとても滋味深い。
色々思ってくれて、感謝の気持ち、いっぱいで溢れる。ありがとう。クリスマスのプレゼントって、やっぱり良いもんですね。。。
ああ、今目の前にあるたくさんのお野菜で、ポタージュスープが飲みたい。野菜ジュースが飲みたい。ということでフードプロセッサーとミキサーが欲しい(笑)。ということでまた来年も仕事がんばらなきゃな。
貪欲な食欲という元気も、湧いてきたよ。ほんと心からありがとう。メリークリスマス。