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「NOTONO NOWー現地のプレイヤーがまなざす能登のいまー京都巡回展」へ。

 

 京都は五条河原町を西へ一筋下ると、大通りの交通量から一転ふと静か。末寺がポツポツ、その間に暮らしと民泊と商いが混在するリアルな京都の路地一筋(ちなみに河原町五条の東側はその昔は一大色街で、任天堂の生誕地。昨今は旧来の建物や生業を生かした新たな拠点に再利用されている注目のエリア)。

 ガタガタの町家が並ぶ通りの先には、あやとりのような電線の合間から指をぬくっと差し入れたように京都タワーが見える。その一角にあるのが築約120年の木造三階建てをリノベしたFabCafe Kyotoだ。Cafeとモノづくりラボが合体しており、ノマドワーカーらが流動的に佇む場所としても機能している。

 

 と、そんな場所で今月4日から今週の土曜日まで行われているのが「NOTONO NOW」。七尾市でコミュニティ拠点を再定義する森山明能さん、珠洲市で映像や写真を通した『記録係』と銘打ち活動されている西海一沙さん、七尾市の建築家・岡田翔太郎さん、輪島市を拠点に『のと復興ラボ』を牽引する山本亮さんと、4人の能登半島で独自アンテナを高く掲げるクリエイターらの活動が展示されている。

 なんとも、普段の生活の中に能登半島がするりと入り込んでくるような気がして、いい意味でたまらない気持ちになった。見知った方々の展示に触れて、地元でそれを感じられるのにもゾクゾクした。

 

 いわゆる復旧復興と、報道番組などで何気に現状を知ったつもりになりがちな能登半島。ですが、こうした空間の中にあってデザインされパッケージングされるとなんと、格好の良い事だ、ユニークだ、スゴイ方たちが存在していると改めて思う。

 

 先月のマイスタープログラムの成果発表にて、とある修了生が語った「能登半島はモザイク模様」とは実に言い得て妙。日本の原風景と、マルッと言って仕舞えばそうかもしれないけれど、細かにして様々な、そして希少な文化の宝庫。その一端も知れると思います。

 あと期間まで僅かな残り日ですが、是非。

 

 

(追記ーロゴから手綴じポケットサイズのリーフレット、インスタレーションも秀逸。ほんと。。。ついおざなりにされがちな昨今ですが、グラフィックデザインって本当に大事な要素だなとつくづく。コンセプトを要約し、知らない人にも伝える無言の力があるんですよね。その点だけでもご興味の方は、まずは能登半島の入口へ。)

 

FabCafe kyotoイベントインフォリンク↓

https://fabcafe.com/jp/events/kyoto/2503_notono-now/

谷口菜穂子写真事務所
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