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スーパームーンと言われたからね。

今し方、夜勤中のおツレからメールで

「夜中の2時から3時が最も大きいんだって」と言われたからには、

寝るタイミングを失ってしまった。
よくよく考えれば、自宅周辺は田舎の光景で山間部と言えど空は広く、

比較対象の夜景が広がる訳でもなく、

これではまあ、ただ望遠レンズで撮ったというだけだな、と思いながら、

足下に豚の蚊取り線香を置いて、三脚すえて雲の切れ目を眺めている。
天体写真などまた、これまで一度も撮った事もなく、

よくよく見てきた筈の月も、こんな嵐の後には刻々と表情を変えるのを知った。

月と言えば。
10代終わり頃に散文や詩を書き貯めていてそれを読ませた友達から、

「なーちゃん。月が上がってるやろ。それを見て『あー綺麗』と言ってしまったらもう、月は終わってしまうんやで」と言われた事が浮かぶ。
言われて瞬間は憤慨して、月を見ても衝動を抑える事を覚え、

そして生涯のソウルメイトが見つかったと思った。

果たして今夜の月がSuperなのかは分からないけれど、確かに放つ光は強い気がする。
もう一回外に出てみよう。

谷口菜穂子写真事務所
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