こちらは随分と、昨日から避難警報の携帯お知らせがひっきりなしに響いています。
皆さんご無事でらっしゃいますか?交通網があちこち麻痺する中、当方仕事の予定が伸びて、家に閉じこもってひっそりしています。玄関口には、先だっての地震以来置いたままの防災リュックと猫らのキャリーケース。
そんな雨の中も、郵便屋さんはお便りを運んでくれます。そして届いた「ねこ新聞」。
http://www.nekoshinbun.com/index.html
近年とんと雑誌類の定期購読がお留守になっている中、たまの病院や美容院にて待ちぼうけすると、置いてある雑誌は重宝です。そこで見かけた「暮しの手帖」の特集で取り上げられていたのが、なんと創刊23周年を迎えるタブロイド紙「ねこ新聞」。
紙面レイアウトの美しさを保つために広告は一切載せず、「富国強猫」(猫がゆったりと、眠りながら暮らせる国は心が富む国)を掲げ、毎号様々な文化人らの筆にて、猫の目線で紡がれる猫文学への誘いがコンセプト。
かつては新規参入の企業の海外進出に際し、リスク情報の収集などの仕事に奔走された編集長が、明けても暮れても争いの絶えない世の中に、もう人間相手の仕事は嫌だ、心を癒す仕事がしたいと思い立って、立ち上げられたのがこの新聞。
立ち上げから1年で病に倒れられて尚、奥さんと二人三脚で発行を続けられている事、特集のインタビュー中にあった「男のロマンに付き合うのって大変なのよ」と微笑みながらも続くご夫婦の形、何より、猫が好きな人になら沁みるように分かる、愛するものへの絶妙の距離感や傍観具合が、とても感じられました。
「顔の見える生産者」。
昨今お野菜などの食べ物によく使う言葉ですが、こうしたものにも言い得るもんなんですね。挿絵も言葉もエッセイも詩も、どれも優しく美しいです。
今日もテレビでは平成の終結とばかり、重々したニュースが流れています。
時には呑気な哲学者然。ねこで居させて下さい。