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秋は人間も猫も感傷的で寂しがり。

 

 あっという間に時は過ぎて、生垣の金木犀も2番花がチリかけの今日この頃。

 今更ながらキャロル・キングのアルバム「つづれおり(Tapestry)」にどハマりしています。

 1971年リリース、と言うとちょうど私の生まれ年。我々親世代からちょっと若い世代が若かりし頃に聴いただろう、もうほぼ音楽の教科書レベル、名盤中の名盤ですが、今まであえて聴いてこなかった。思えばこの一枚のアルバム楽曲中、どれだけのアーティストが今までカバーしてきただろう。私の場合、好んだジャンルがいわゆるブラックミュージックだったのもあり、オリジナルよりもカバーで触れることが多く、そのせいもあってキャロル・キングをあえて聴こうとまで至らなかったのもある。ちなみに、自分がいつか死にゆく時、あるいは葬式で最期の一枚として「君の友達(You’ve Got a Friend)」の入ったアルバム「ロバータ・フラック&ダニーハザウェイ」をループで流して欲しいと、おツレには伝えてある。人間っていいなあ、ささやかだけど素敵な人生だったなあって、感じられると思うから。

 

 歳がいくと味の好みが変わる、と言われているけど、音楽だって、これまでなんとなく遠ざけてたものにふと親近感が湧くのかもしれない。キャロルキングのそれは、私にとってはオンタイムでは無いので、いわゆる自分の若かりし頃への感傷や直接的な懐かしみへの振り返りでは無い。でも、(いくら最終的にはデジタルを通過しても)生楽器演奏の心地良さとか、媚び質を全く感じないボーカルとか、メロディや構成、歌詞の素晴らしさとか、自分なりに頑張って生きる女性の姿とか、そんな普遍的なものが、琴線に触れて泣けてくる。

 

 さて。そんな「つづれおり」ですが、アルバムの写真がまた、素敵なんですよね。窓辺にたたずむキャロルキングの足元に、ピントの外れた猫がちょこんと座ってるんです。と言うことで、遠回りですがネコつながり(笑)。夏場の暑さにヘソ天でだらっとした猫も良いんですが、秋以降の猫って、とにかく暖を取るのに集まってきて、人間の居る温かい部屋に密々してくるんです。そんな訳で。SNSにちょっとばかり離れ気味だった近況報告としては、猫家族が増えました。黒猫「こくと(黒糖から命名)」君です。尻尾がスーッと長くて黒豹みたいに男前ですが、性格はいたって甘えん坊のビビりでおっちょこちょい。現在猫4匹ですが、不思議な距離感で仲良くやってます。

で、庭に居ついた彼を家に迎え入れてからわずか数日後にはもう、実は控えの子猫がまたどこからかやって来て庭から離れません(トップ画像の初雪カズラの前で佇む写真の子)。多分、猫界でウチはもっぱら噂になってるんだと思います(苦笑)。

 

 もうすぐ、寒い冬がきますもんね。。。

谷口菜穂子写真事務所
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